Webサイトの多言語化で、企業のコミュニケーション課題を解決するB2B マーケティング戦略

Wovn Technologies株式会社

取締役副社長 COO
上森久之氏

利用媒体:月刊『広報会議』

2024.04.17

マーケティング活動の打ち手が多様化する時代、マーケティングとクリエイティブの力で企業の成長を支援する広告・マーケティング業界のトップランナーは、いまどのような戦略を描いているのでしょうか。「宣伝会議の広告掲載事例(BtoB MARKETING CASE)」シリーズでは、宣伝会議のメディアやイベントに広告出稿・協賛をいただいている、広告・マーケティング業界の企業を率いる経営トップに、成長戦略についてインタビュー。
広告業界においてクライアント獲得に役立つヒントを発信していきます。

今回は、Webサイトの多言語化や翻訳の課題に答えるソリューションのWovn Technologies株式会社(以下WOVN) 取締役副社長 COO 上森久之氏に話を聞きました。

記事のポイント

  • 社会環境の変化でWebサイトの更新頻度が増えた広報関係者からの引き合いが増加
  • 明確なターゲット設定に加え、最も業界に詳しくネットワークもあることから『広報会議』を選定
  • 毎号の巻頭特集のテーマに合わせて、企業はどのような困りごとを抱え、それに対して自分たちはどのような提供価値があるかを読者に提示

社会環境の変化で、Webサイトの更新頻度が増えた 広報関係の引き合いが増加

貴社の事業概要やビジョン、クライアントについてお聞かせください。

私たちは「Localize the Internet」というスローガンを掲げ、インターネットにおける言語や文化の垣根を超えるためのプロダクト開発を行っています。当社のWOVN.ioは、Webサイト・アプリを多言語化できるソリューションサービスで、国内大手企業を始めとする、18,000サイト以上の多言語化を進めています。
実際に様々な業界や部署で利用され、特にEC事業部や製品企画部で導入いただいているケースが多くあります。他にも、イントラネットの多言語化の際に、情報システム部などにもご利用いただいています。
コロナ禍以降は、広報関係者からの引き合いが増えたことで、広報部向けのマーケティングも行っています。広報部はコーポレートサイトや製品サイト、Web社内報などを所管して運用している場合が多く見受けられます。これまで静的な情報が中心で更新頻度もさほど多くなかったサイトも、近年はコロナやウクライナ情勢、インフレが重なり、過去数十年間で誰も対峙したことのないほどの変化に晒され、情報もかつてないほど頻繁にアップデートされるようになっています。
日本語情報のアップデートだけでも一苦労な状況にもかかわらず、外国語での情報更新も必要となり、WOVNへの相談も増加しています。また、コロナ禍においてデジタル化が急速に進んだトレンドも、その傾向を加速させていると言えます。

明確なターゲット設定と業界に詳しくネットワークもあることが『広報会議』出稿の理由

貴社マーケティング戦略の中で、広報会議の活用を選んだのはなぜですか?

BtoBを特集した『広報会議』の表紙を見たことが、きっかけでした。巻頭特集に据えた「BtoB」の文字が大きく描かれた表紙を見て、ターゲット設定の上手さに興味を惹かれました。
広告や広報活動では、多くの人に興味を持ってもらおうとすればするほど、表現が抽象的になり、ターゲットも曖昧になりがちです。ところが、私が興味を抱いた『広報会議』は、「BtoB」を前面に押し出した表紙で、ターゲットも明確。BtoBの事業を行っているビジネスパーソンであれば必ず手に取るでしょうし、実際に私も手に取ったものです。
さらに誌面にも、グローバルサイトの運用を課題とする企業の多さ、サイトリニューアルを行った企業が多言語化に課題を抱いているといった内容が記されていました。『広報会議』を通して各企業の広報部の生の声を知ることができ、私たちが広報部向けのマーケティングを行う、ターゲット選定のきっかけにもなったと言えます。
また、私たちはカテゴリートップの企業になるため、他社との比較や差別化というよりも、市場をつくり出す啓発活動に注力しています。WOVNのプロダクトのユーザー層は様々な業界や部署に及ぶため、それぞれのセグメントに合わせる必要性があり、日々学び知識のアップデートも欠かせません。そして、広報部向けのマーケティングを行おうとした際、最も業界に詳しくネットワークもある『広報会議』に相談するのが得策ではないかと考えました。
月刊広報会議2021年12月号 BtoB新コミュニケーション

巻頭特集に合わせ、企業はどのような困りごとを抱え、自分たちにどのような提供価値があるかと読者に提示

広報会議を活用する時、どのような工夫や意識をしているか、教えてください。

WOVNは、お客様の業界や部署を問わず、様々な課題のソリューションとしてWebサイトの多言語化を提供するSaaSです。そのため、『広報会議』毎号の巻頭特集のテーマに応じて課題解決のインサイトを記事に盛り込むことを意識してきました。例えば、「サステナビリティ」というテーマであれば、企業はどのような困りごとを抱え、私たちはどのような提供価値があるかと、読者に提示していきました。
基本的にWebサイト多言語化に関する課題と解決策のヒントを主軸に置き、その姿勢は「サイト翻訳入門」という連載名に最もよく表れていると言えます。どの企業やセグメント、話題にも紐づけられ、多言語化についてはじめて触れる読者層にもわかりやすく説明できる機会になったという手ごたえもあります。
巻頭特集に合わせたコンテンツ展開

言語に関係なく誰もがインターネットを閲覧できる世界を目指す

活用後の反響や今後の課題、展望についてお聞かせください。

提案先の方から「広報会議を見た」という声を頂けましたね。『広報会議』は広報パーソンに広く読まれている実感もあり、広報担当向けのマーケティングに効果的に活用できたと考えています。
今後の展望としては非常にシンプルで、将来的に「WOVN.ioというプロダクトがあったからこそ、今の世の中になったんだよね」と言えるようになれれば嬉しいですね。私たちが望むのは、言語に関係なく誰もがインターネットを閲覧できる世界です。具体的には、言語や国をまたいだ情報でも、ユーザーがそれぞれの母国語で不自由なく当たり前にインターネットライフを送れることです。私たちもその一助になるべく事業を行っていますが、実際にその世界観が実現したとしてもWOVN.ioの存在は誰にも気づかれないはずです。ただ、私たちが年を重ねて子供や孫が生まれて、「昔の日本はインターネットで日本語の情報しか見なかったし、アメリカも英語の情報だけ、中国も中国語だけだったんだ」と口にすれば、「えっ! そんな時代があったの?」と驚かれることも出てくるかもしれません。
そのとき、「WOVNという会社があったから、今の世の中になっているんだ」と言えることができたらと思っています。
私たちは非常にニッチな産業にいると自認していますが、将来の役に立つプロダクトになるよう、日々人生をかけています。

プロフィール

interview

Wovn Technologies株式会社

取締役副社長 COO

上森久之

デロイト トーマツにて、新規事業/オープンイノベーションのコンサルティング、会計監査、M&A関連業務などに従事。公認会計士登録。2016年、Wovn Technologies COOに就任。2019年より取締役副社長。

掲載媒体・企画について

月刊『広報会議』

企業・商品広報、リスク、IRの専門誌

連載「サイト翻訳入門」

本記事で紹介しているWOVN様の連載はこちらでもご覧いただけます。