大手広告主からの相談も増えているフラクタのマーケティング戦略とは

株式会社フラクタ

代表取締役
河野貴伸氏

利用媒体:『ブレーン』『広報会議』『100万社のマーケティング』編集タイアップ出稿、 「カスタム書籍」の発刊 「インターネットマーケティングフォーラム」「宣伝会議サミット」への協賛、 「コーポレートブランディングカンファレンス」への協賛、 「カスタムセミナー(自社セミナー)」実施

2020.12.14

マーケティング活動の打ち手が多様化する時代、マーケティングとクリエイティブの力で
企業の成長を支援する広告・マーケティング業界のトップランナーは、いまどのような戦略を描いているのでしょうか。
「宣伝会議の広告掲載事例(BtoB MARKETING CASE)」シリーズでは、宣伝会議のメディアやイベントに広告出稿・協賛をいただいている広告・マーケティング業界の企業を率いる、経営トップが抱く、成長戦略についてインタビュー。広告業界においてクライアント獲得に役立つヒントを発信していきます。

今回は、ブランディングエージェンシーのフラクタ 代表取締役 河野貴伸氏に話を聞きました。

記事のポイント

  • DtoC事業に取り組むクライアント層はベンチャーから中小、大企業まで広がっている
  • フラクタのブランドマーケティング活動のキーワードは「粒子性」と「波動性」
  • 広告・宣伝活動は、正しい情報を世の中に発信していくためのパブリックなチャンスとして捉える
  • 宣伝会議の魅力はメディアの豊富さとトラディショナルさ

フラクタの事業概要やビジョンについてお聞かせください

河野氏:フラクタの事業領域はブランディング支援で、「心をつなぐブランディングで、豊かさに満ちた世界へ。」というビジョンのもと、事業を展開しています。

2013年の創業当時はECサイト構築支援を中心としていたのですが、ECサイトに関わるなかで、たとえば商品開発に関わるようになるなど、新ブランド開発やリブランディング戦略などの相談を受ける機会が増え、徐々に事業領域が広がっていきました。最近では、DtoC事業の立ち上げの相談も増えています。

ブランディング支援というと、ロゴやWebサイト開発などクリエイティブ開発を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、僕たちフラクタではブランディングの支援は最終的には、ブランド(広告主企業)が自走できる体制をつくることだと考えています。
そこで教育と言うと少しおこがましいのですが、自走に向けたノウハウをお伝えしたり、高速立ち上げが必要な時には僕らのチームで直接クリエイティブ制作やEC立ち上げを支援していくブランディングサービスを提供しています。

フラクタさんのクライアントはどのような企業なのでしょうか。

河野氏:大きく3つの層に分かれると思います。

まず1つはスタートアップ企業です。
少ない人数で経営しているケースが多く、ブランドビジネスという非常に広いケイパビリティ(企業が全体として持つ組織的な能力)が必要な事業を自分たちですべて担うことが難しい。そこでこうした企業に対しては「ブランディング・アズ・ア・サービス」と銘打ち、自分たちでできるところはやってもらいつつ、ケイパビリティが足りない部分について、僕たちの機能を活用していただいています。

次は比較的、老舗と言われる中小企業からの相談も多いです。
長年事業を続けてきた企業から「現代に合わせたブランドをつくりたい」「DtoCに取り組みたい」というご相談をよく受けます。「大手のように大きな予算をかけられない」「自分たちが持っている生産背景を踏まえて新商品を作っていきたい」というニーズに対して、相談役のような役割から実務で手を動かすところまで幅広く入っていくケースがあり、案件としては一番多くなっています。

最後が大企業で、ここ最近で非常に相談が増えています。
コロナ禍の影響を受けて、販売チャネルなど顧客との直接接点を持つ必要に迫られているのだけれど、小売・流通を介すという従来の商流上、BtoCビジネスの経験者が社内にいないという課題が生じているためです。
これまでの発想では、広告で付き合いのある大手広告会社に依頼するケースが多かったと思いますが、コロナ禍に対する喫緊の対応でもあり、最初から大きな予算をつけられないケースが多い。そういった場合は、まず僕らで要件を受けて、ビジネスを形にしてリリースまでもっていき、大きくなったら広告会社に引き継ぐということもやっています。

コロナ禍による事業会社側の変化は感じていますか?

河野氏:一般的にはEC事業立ち上げのニーズが増えていると思いますが、僕たちの場合はそれだけでなく、「DtoCブランドを立ち上げたい」「DtoCブランドの特性を自社ブランドに取り込みたい」という相談がとても増えています。中でも特に増えているのが、経営企画室や新規事業開発室などからの、コロナ後の世界を見据えた実店舗の在り方や2020年以降のブランドの在り方について、ディスカッションレベルから一緒に入って欲しいという依頼が格段に増えました。

ここからは、フラクタ様のマーケティング戦略について伺っていければと思います。 御社の場合、事業内容や手法自体に共感してもらう方たちを増やしていくことがメインになっていくのでしょうか?

河野氏:そもそもマーケティング活動において投資額を増やすことは、ある意味一番楽な手段だと考えています。広告費を払えば最高のメディアの、最高の掲載位置の中で紹介してもらえる。でも僕らみたいな中小企業が戦い抜いていくためには、その上で、さらにどれだけ工夫できるかが重要だと思っています。例えば宣伝会議さんに広告を出稿したり、イベントに出展する際にも、その前段階で、その露出を最大限活用するための下ごしらえが非常に大事です。この下ごしらえこそが「攻めのマーケティング」だと考えています。では「攻めのマーケティング」って何?と言うと、自分たちの立ち位置を明確にする、ということだと思っています。

たとえメディアに露出しても「この人たちは何をやっているんだろう、まあいいや」で終わるのか、「この人たちよくわからないけど面白そう。もっと話を聞いてみたい」と感じてもらえるかどうかは、自分たちの立ち位置を明確にするという事前準備で差が出る。つまり僕たちのマーケティング戦略はブランドマーケティングで、いかにフラクタというブランドを認知してもらえるか、を重視しています。

フラクタのマーケティング戦略=ブランドマーケティング戦略というお話がありましたが、具体的にどう動いていくのかについてはどのように捉えていますか?

河野氏:一般的にファネルで表現されることの多いブランディングですが、重要だと考えているのは、ブランドマーケティング活動には「粒子性」と「波動性」があるということです。広告露出を一気に増やした時の「あの広告を見た」「認識した(終了)」という反応が粒子に当たります。テレビも基本的に粒子性が強く「あ、ふーん」「有名だね」とはなりますが、その多くが知るという行為で完結し、心の変動、共感が起きる可能性は低い。

一方で「波動性」というものがあり、かつていた音楽業界で例えると、曲を売るためにはスキー場や海、カフェなど色々な場所で流すのが肝心で、何度か聞いていくうちに「あれ?この前もこの曲流れていたな」「最近有名だな」「すごいな、聞いてみよう」と興味を持ってもらえるようになる。これは「波動性」があるから心の変動が起きて、結果的に興味を持ってもらえていると言えます。

僕たちもこの「波動性」を大切にしていて、一気に露出するのではなく、イベントやメディア、書籍などを通して細かい波を何度も出し、体験した方が「フラクタっておもしろい、この会社なら頼んでもいいかな、相談してもいいな」と思っていただけることがリードになり得ると考えています。宣伝会議さんの良さはWebメディアやイベント、書籍など様々なメディアがあること。色々な方向から出した波によって認知が広がっていき、イベントなどに出展した際「この会社なんか知ってる」「あ、この本見たことある」と思っていただける流れをつくることが、僕らの中で大事にしているKPIの1つです。

宣伝会議のメディアやイベントを活用する時、どのような工夫や意識をしているか、お伺いさせてください。

河野氏:数をこなしていかないと良くならない、ということです。2年前に広報チームを新設し去年から現在の2名体制となり、忖度なしで色々なアイデアや露出する場を用意してきてくれていて、この広報体制は数をこなすという意味でも非常に大事だと思っています。広報の管理体制の中で情報を発信していくことは、広告宣伝ではなくて、正しい情報を世の中に発信をしていくためのパブリックなチャンスとして捉えられる利点もあると考えています。

フラクタ様とは2015年から6年近くご一緒していますが、宣伝会議を選び続けていただいている理由はどういったところでしょうか?

宣伝会議さんがメディアとして安定していることが、大事な指標になっています。

スタートアップやIT企業に人気の新興系Webメディアもありますが、僕らは出稿してはいけないと考えています。なぜなら彼らはメディアとして伸びるために速報性や話題性に比重を置いていて、先ほどの「粒子性」「波動性」で言うと「粒子性」が強くなってしまう。そうなるとブランディングには向いてない。

誤解を恐れずに言うと、宣伝会議さんは少しトラディショナルと言えます。僕たちにとってはそこがよくて、「あの昔からある宣伝会議によく出ているよね」「あそこは大きいからね」と思われるメディアブランドが重要で、長年発刊している信頼と伝統のあるメディアから発信ができること。加えて『100万社のマーケティング』がまさにそうですが、企業に寄り添う姿勢も僕の中では非常に重要な要素で、一緒にやってきたこの6年間、そこがブレなかったということが大きな継続の理由です。

最後に今後の展望についてお聞かせください。

冒頭でも「心をつなぐブランディングで、豊かさに満ちた世界へ。」というビジョンをお伝えしましたが、より多くの日本のブランドの成長を支えていきたい。結果的にエンドユーザーが買い物を楽しんだり、とても良いものを使ったりして、精神的に豊かになることかなと考えています。
コロナ禍でわかったことは移動が減ったこと=地域のお店が閉まるなど、その先の色々なビジネスが減っていくということ。今までは「小粒でピリリと辛い会社でいたい」と考えていましたが、「この日本の状況を少しでも良くしていきたい」という社員全体の想いを乗せた会社になってきてもいるので、企業規模や手掛ける仕事もより大きくしていきたいと思い始めています。

ご協力いただきありがとうございました。

【フラクタと宣伝会議の取組】

・『ブレーン』『広報会議』『100万社のマーケティング』編集タイアップ出稿
・「カスタム書籍」の発刊
・「インターネットマーケティングフォーラム」「宣伝会議サミット」への協賛
・「コーポレートブランディングカンファレンス」への協賛
・「カスタムセミナー(自社セミナー)」実施

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