「長期的なセミナー開催を通じて、広報担当者のコミュニティを育てる」

株式会社産業編集センター

はたらくよろこび研究所 部長
相山大輔氏氏

利用媒体:インターナルコミュニケーションプロジェクトセミナー、カスタムセミナー

2016.06.13

社内報の制作から始まり、現在はインナーコミュニケーションのプランニング業務も行う、産業編集センター。インナーコミュニケーションに関するノウハウを伝えるべく、数年前から宣伝会議と共同でのセミナーを開催しています。新規顧客開拓に成功し、同時に広報担当者が集うコミュニティの育成にもつながっているという、同社の取り組みについて、株式会社産業編集センター はたらくよろこび研究所 部長 相山大輔氏にお話を伺いました。

事業内容について教えてください。

産業編集センターは、1980年に創業した社内報を中心とする制作会社です。企画からライティング、イラスト、撮影に至るまで専門のスタッフを持ち、社内のリソースでお客さまのほとんどのニーズに対応できることが強みです。

社内向けツールを制作する際の意思決定は、社外向けの制作物とはまた違ったロジックで動きます。当社は長らく社内報に特化してきたこともあり、独自のノウハウが蓄積されてきました。近年では紙の社内報だけでなく、イントラネットの運用やイベントの運営など、インターナルコミュニケーション全般のプランニングから実施までをお手伝いするケースが増えています。

インナーコミュニケーション担当者向けに、毎年6回のセミナーを実施

定期開催しているセミナーについて教えてください。

企業の広報や経営企画、人事などの方を対象にした、インターナルコミュニケーションについてのセミナーを年間6~7回ほど開催しています。宣伝会議と組んで行うのは2009年からですが、今年(2016年)からは「インターナルコミュニケーションプロジェクト(ICP)」という名称で展開しています。都内が中心ですが、今年は大阪でもセミナーを開催予定です。具体的には、「Webと紙の融合」「自分ごと化」「リスク時の社内コミュニケーション」など回ごとにテーマを設け、事業会社などでインターナルコミュニケーションに取り組む方による講演のほか、当社による講演も含めてプログラムをつくっています。講演の後にはご来場の方同士の交流の場として懇親会を行っています。
ICP(インターナルコミュニケーションプロジェクト)セミナー第1回の様子。

継続してセミナーを行うことで、来場者との関係も育っていく

こうしたセミナーを行うに至った経緯を教えてください。

新しいクライアントとなる方との出会いの場をつくるためです。当社は以前から、社内報の世界では「知る人ぞ知る」存在でしたが、会社としての知名度やポジションをさらに高めていく必要があると考えていました。

自社でもセミナーを開いていましたが、新たな顧客との出会いの場としては限界があります。第三者である宣伝会議が運営するセミナーであれば、お付き合いのない企業の方にとっても気兼ねなくお越しいただけると考えました。

年に複数回のセミナーを行うのは、単発でなく長期で続けることに意味があると考えているからです。一度きりのセミナーの場合、接点ができてもその場限りで終わってしまうことが多いのですが、継続していくことで徐々に関係性が育っていくことがあります。実際に、「実は前から相談しようと思っていたんです」と3回目くらいの来場でおっしゃる方もいます。何度か来場する中で、社内広報で困ったときは産業編集センターに相談してみよう、と考えていただいているのだと思います。
2015年7月に開催した、「インナーコミュニケーションフォーラム2015」の様子。

電話営業では会えなかったナショナルクライアントが来場してくれた

セミナー開催の効果についてはどのようにお考えですか。

セミナー開催を始めた当初で印象に残っているのは、電話営業ではまったくお会いできなかったナショナルクライアントの方に来場していただけたことです。その後はすんなりお会いして話ができるようになり、貴重な意見交換の場となりました。

産業編集センターでは、セミナー運営にかかるトータル費用と新規案件獲得の金額を比べて費用対効果をしっかり検証しています。その上で、いままで続けることができているのは、当社の営業戦略の重要な要素ひとつにこのセミナー開催があるからです。

広報担当の方を中心に、幅広いネットワークが築けるようになったことも効果のひとつです。セミナー後の懇親会は、我々が積極的に営業をする場とは考えていません。むしろお客さま同士のコミュニティ作りの意味合いが大きいです。外部に発信する広報活動は、リリースの露出やWebサイトを見れば内容が見えますが、社内広報は完全に外からは見えない世界です。だからこそ、広報担当の方にとっても他社の事例こそが財産です。コミュニティとなる場を提供することで、微力ながら業界の活性化にも貢献したいと考えています。そして嬉しいことに、コミュニティの中で産業編集センターを紹介してくださることも起こっています。

今後期待することについて教えてください。

広報の役割は、以前からかなり広がっていると思います。単に内外に「伝える」係としての広報から、伝える内容・中身を一緒に考えていく広報へと変わってきています。だからこそ、広報という分野を「広報会議」などの媒体でも広く捉えて、広報という業界の活性化、社内での地位の向上に寄与していただけたら嬉しいですね。

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